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地震安全ゾーン
(写真・文:防災・危機管理アドバイザー 山村武彦)

緊急地震速報が鳴ったら、あなたはどうしますか? 緊急地震速報は「まもなく地震の大揺れが来ます」というシグナルですから、まずは身の安全を図ることが大切です。以前は地震イコールテーブルの下に身を隠す事が奨励されていました。もちろんこれは間違いではありません。それしか方法がない場合は落下物を避けるためにテーブルの下に隠れることも大切です。しかし、古い2階建て木造家屋の1階であれば、1階がつぶれるとテーブルもつぶれる危険性があります。つぶれないまでも、ドアが変形したり天井が落下してしまった場合、テーブルの下にいたら閉じ込められてしまうおそれがあります。その時、もし火災やガス漏れが発生すれば逃げ遅れる可能性もあります。あるいは外出先などではテーブルがない場所もあります。
 緊急地震速報が鳴ってから大揺れが来るまでの時間は通常数秒から10数秒程度といわれています。そこで家庭や職場にいて緊急地震速報が鳴ったり、地震の揺れを感じたときにとっさに一時的に退避できる「安全ゾーン」が必要となります。私が提唱している安全ゾーンとは、転倒落下物、ガラスなどの少ない閉じ込められない場所です。揺れが収まるまで安全ゾーンに退避して姿勢を低くして身を守るのです。大揺れが収まったら、さらに安全な指定避難場所などに避難します。つまり、安全ゾーンとは「いっとき避難場所」なのです。小さな揺れ(P波)の時や緊急地震速報直後はまだ動けます。本当の大揺れになったら動けません。数秒から10秒以内に退避できる場所で転倒落下物、ガラス飛散の少ない閉じ込められない場所に退避できる場所が必要です。以下に事例を交え安全ゾーンにふさわしい場所の選択などについて述べてみます。家庭、事業所、学校などでも今のうちに地震安全ゾーンを設定してはいかがでしょうか。

阪神・淡路大震災(1995年1月17日・撮影:山村)/古い木造家屋が倒壊
阪神・淡路大震災(1995年1月17日・撮影:山村)/1階がつぶれればテーブルもつぶれる
阪神・淡路大震災(1995年1月17日・撮影:山村)

阪神・淡路大震災(1995年1月17日・撮影:山村)/閉じ込められないように避難路を確保する

家庭の安全ゾーンのひとつは玄関です。玄関は比較的ものが置いてない場所で、ドアを開ければ避難路を確保できます。手を放しても閉まらないようにストッパーやサムターンを回します。それから靴を履くのです、それは周囲はガラスが散乱している可能性が高いからです。緊急地震速報が鳴ったらとりあえず玄関に行ってドアを開けるというルールをつくると共に、寝る前に家族分の履きやすい靴をそろえておくことが災害列島日本に住む作法だと思います。
閉じ込められた人を助ける訓練と併せて、小さな揺れや緊急地震速報が鳴ったら訓練と思って玄関に行ってドアを開ける癖をつけておくなど、普段から閉じ込められない訓練が大切です。

阪神・淡路大震災(1995年1月17日・撮影:山村)/ビルやマンションで中層階がつぶれる場合もある
古いビルやマンションであれば小さな揺れや緊急地震速報でドアを開け階段付近の安全ゾーンへ
その階が危険と思ったら、次の階へ脱出できるところで揺れが収まるまで待つ
揺れている最中階段を駆け下りるのは危険、揺れが収まってから階段で避難場所へ退避する

エレベーターホールが安全ゾーン
 階段室やエレベータ―ホールは火災発生時に煙や炎から守るために、法令で防火戸や防火シャッターなどで区画することが義務付けられています。こうした転倒落下物の少ない一定のスペースが確保できるところが安全ゾーンとして望ましいと思います。緊急地震速報が鳴ったら、ただちに安全ゾーンに退避し姿勢を低くし大揺れに備えます。また、上の画像には非常階段が見えますが、大地震で揺れている最中に階段を駆け下りるのは危険ですので、階段室前の安全ゾーンは、一斉に階段を駆け下りようとするのを制止する役割もあります。


売り場などの場合、通路と通路が交差している広いスペースが安全ゾーンとなります

出入り口付近に安全ゾーンを設定するのも、慌てて外へ飛び出すと危険(下の写真)という意味もあります
阪神・淡路大震災(1995年1月17日・撮影:山村)/安全そうなビルであれば外へ飛び出す方が危険
街中にいたら建物から離れるか安全そうな建物の中に入る

阪神・淡路大震災(1995年1月17日・撮影:山村)/地震時は車が暴走する恐れがあるので道路に飛び出さない

出入り口近くの広いスペースも安全ゾーン/揺れてる最中外へ飛び出させない「いっとき避難所」


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