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火災発生時!煙の中の避難方法について
 
★ 火災による主な死因は煙を吸い込むことによる一酸化炭素中毒死
 建物火災による死者は年間1,114人(平成29年度商簿白書)。その死因1位は一酸化炭素中毒・窒息422人(37,9%)、2位が火傷で391人(35.1%)、自殺127人(11.4%)。火傷による死亡も、煙(一酸化炭素など)を吸い込んだことによって、行動が阻害され致命的な火傷となった場合も考えられる。いかに煙を吸い込むことがが危険かを表している。そこで、火災発生時における煙の中を避難する方法について考察する。併せてタオルやハンカチを鼻や口にあてて効果の有無、あるいはタオルやハンカチはぬらすほうがいいのか、ぬらさないほうがいいのかも検証してみた。
防災システム研究所/山村武彦

2018年7月26日13時50分/東京都多摩市・建築中ビル火災
逃げ遅れた作業員5人死亡・25人重軽傷を負った(一酸化炭素中毒死)

2015年3月2日午前8時ごろ/東京都千代田区25階建てマンション20階から出火
20代男性の放火による自殺未遂事件/下の画像はその部屋の前の天井に猛煙の痕
幸い発見・通報が早く、住民たちが消火器・屋内消火栓で初期消火を行ったことで放火された一室だけの焼損
しかし、部屋の前の天井を見ると猛煙の恐ろしさを見ることができる

 火災発生時、煙は毎秒3m〜5mの速度で上昇する。
 上昇した煙は天井にぶつかると、秒速05m〜1mの速度で横方向に広がっていく。横方向に広がって壁にぶつかった煙は、上部に滞留し、さらに煙が供給され続けると、行き場を失って今度は壁に沿うように下方向に向かって滞留を始める。煙が床から1.8m以内に滞留すると避難に支障をきたすことになる。
 下方に向かって滞留し始めた煙は、室内の空気層を圧迫しながらさらに下方に下りていく。煙層に押され行き場を失った空気は家具や壁などの隙間や壁(家具など)と床との間の隅(緑色コーナー部分)に移動する。階段などでは段々の隅(コーナー)に空気層が残っていることが多い。

★煙の中の避難方法
1、タオルやハンカチを鼻と口に当て、姿勢を低くして避難。(煙は上部から滞留していく)
※タオルは一瞬たりとも口や鼻から離さない。一瞬でも煙を吸うと息苦しくなる。


2、濃煙となり、床まで煙が充満した場合、壁と床の隅(コーナー)に残った空気層の空気を吸いながら避難する。


3、煙の中を避難するとき、タオルやハンカチはぬらしたほうがいいのか?効果はあるのか?結論から言うと
タオルやハンカチを鼻や口に当てても、CO(一酸化炭素)などの有毒ガスを遮断することはできない。しかし、刺激性物質(白煙)に対する除去効果はある。煙の中を避難するときは、できるだけタオルやハンカチを鼻と口にあてて避難するほうがいい。刺激性物質を吸い込むと息苦しくなり有毒ガスを含む煙を余分に吸い込む危険性がある。よって、タオルやハンカチは鼻や口から一瞬たりとも離さないようにして避難する。日本手ぬぐいやハンカチよりもタオルを折り返しを多くたたんで鼻や口にあてることが望ましい。
ハンカチや日本手ぬぐいはぬらさないで使用する。(ぬらすと通気抵抗が多く、息苦しくなる)
タオルはぬらしてもぬらさなくても差異はない。ぬらそうとして逃げ遅れる方が怖いので、ぬらさないで使用する。(ぬらすと通気抵抗が多くなり、息苦しくなる)
★ぬれタオルの除煙効果とぬらした場合とぬらさない場合の違い
※以下総務省消防庁・消防研究センターの実験結果参照






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