新潟地震50周年
 

 新潟地震(1964年)が原点
 私が防災アドバイザーを志すきっかけとなったのは新潟地震(1964年)でした。このことは2013年3月5日付け日本経済新聞夕刊(下)に書かれているとおりです。以来50年間、世界中の主な災害現地調査を実施し、その教訓を活かすため、防災意識啓発に東奔西走してきました。新潟地震は地震、津波だけでなく、長周期地震動、液状化、危険物タンク火災などの多様な災害事象が発生しました。これが契機となって地震保険制度が創設され、建築基準法の改正が行われ、地震研究を国策推進など、近代における日本の地震・防災対策の原点となったのが新潟地震だと認識しています。
 しかし、その後も阪神・淡路大震災や東日本大震災などの過酷な大規模地震が次々と発生し、そのたびに多数の犠牲者と甚大な被害が繰り返され、もっと社会と個人の防災力を高めの努力が必要と痛感しています。あれから半世紀を経て、私の原点となった新潟地震を再度見つめ直し、体力の続く限り微力ではありますがさらに精進して参りたいと思っています。山村武彦