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スマート防災/山村武彦(2016年3月11日出版)

★〜災害から命を守る準備と行動「スマート防災」〜(ぎょうせい)

はじめに 身の丈に合ったスマート防災
第1章 防災はおとこ(漢)のロマン
第2章 スマート防災訓練
第3章 スマート地域防災
第4章 自治体のスマート防災
第5章 個人と組織のスマート防災
第6章 企業のスマート防災
第7章 ドローンで防災革命
第8章 先人の知恵「災害を忘れさせないための4つの物語」

格好の良い形式的訓練や防災ごっこよりも、現実的で、泥臭く、背伸びせず、地域、企業、行政など自分たちの身の丈に合った対策や訓練を重視すること。そしてなにより命を守ることを最優先する防災。私はそれを「スマート防災」と名付けた。日常的にさりげなく、安全を取り込む「スマート防災」を始めてみませんか?

★災害後対処訓練と合わせ、災害予防訓練を重視せよ
 防災訓練といえば、消火訓練、避難訓練、安否確認訓練、救出救護訓練、炊き出し訓練、避難所運営訓練等が定番。それぞれが重要訓練であることは間違いない。しかし、よく考えてみると、それらの多くが災害後対処訓練でしかない。命を守ることを優先するスマート防災の観点からすると、大切な訓練が抜けている。欠落しているのは「火を消す訓練の前に、火を出さない訓練」であり、「避難訓練の前に、災害から命を守る「状況別行動選択訓練」。「閉じ込められた人を助ける訓練」の前に、「閉じ込められないようにする訓練」、「警報や避難勧告を待って避難」するのではなく、各自が判断し行動する「早期自主避難訓練」。つまり、災害予防訓練を重視すべき。
 もちろん、津波や土砂災害に対しては「早期避難に勝る対策なし」であり、災害後の二次災害防止訓練はそれぞれが重要な訓練であることは論を待たない。また、防災対策には、ハード、ソフト、システム、教育、訓練など幅広く多岐にわたるがどれひとつ不要なものはない。しかし、全てを同時に推進することは困難であり合理的でない。だからこそ、優先順位の明確化である。国、自治体、企業、地域、家庭は災害後対処訓練と合わせ、命を守る災害予防訓練を重視すべきではなかろうか(詳細は第二章「スマート防災訓練」参照)。

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