防災システム研究所

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低気圧と高気圧(ヘクトパスカルとは?)
 
低気圧と高気圧  
 
日本周辺の平均気圧は約1013ヘクトパスカル(hPa)(hect pascal)ですが、それより高くても低気圧と呼ぶこともありますし、それよりも低くても高気圧と呼ぶこともあります。低気圧と高気圧の区別は周囲の気圧との比較関係で決まります。一般的には低気圧だと天候が悪くなります。台風の場合、気圧が低いほど風雨が強くなる傾向があります。 赤道付近で発生する低気圧を熱帯低気圧といい、日本付近でできたものを温帯低気圧といいます。熱帯低気圧は赤道付近の豊富な「熱」エネルギーによって温められた海水(水蒸気)が上昇し発達したものです。熱帯低気圧には前線がありません。それは寒気と暖気の温度差で発達したものではないからです。熱帯低気圧が発達すると台風になります。
 温帯低気圧は日本付近の偏西風などの動き(蛇行)によって生まれた渦がきっかけで低気圧になったもので、北の寒気と南の暖気の温度差によって発生します。そのために寒気と暖気の境目には前線が発生して、大気が不安定になり雨を降らせたり雷や突風が吹いたりします。
 台風の気圧は中心にいくほど低くなります。そして、北半球で台風の風は左回り(時計と反対方向)高気圧の風は右回り(時計回り)に吹きます。これは地球が自転しているからです。回転したものの上を進むものは右に曲げる力が加わります(コリオリ力)。
ヘクトパスカル  
 
台風の中心気圧は950ヘクトパスカルなどと言いますが、ヘクトパスカルは気圧を表す単位です。以前日本ではミリパール(mbar)を使っていましたが、1992年12月1日から国際単位系(SI単位)のヘクトパスカル(hPa)に変わりました。ヘクトパスカルはミリバールと同じ意味で、表示だけが変わったのです。(以前は国によって長さでは尺とかフィート、重さでも貫とかポンドなど単位の表し方がまちまちでしたので、世界で統一しようと1960年に国際単位系(SI単位)制度が発足しました)

 「人間は考える葦である」と言ったブレーズ・パスカル(1623年〜1663年)は、フランスの哲学者であり優れた自然科学者です。大気圧の存在をはじめて実証的な方法で示した人でもあります。圧力の伝わり方に関する「パスカルの原理」を発見したことでも知られています。こうした気圧、圧力の概念確立に貢献したパスカルの業績を称えて、1971年から圧力の単位としてパスカル(Pa)を使うようになりました。ヘクトはヘクタールなどでも使われるように100倍という意味です。1ヘクトパスカルは100パスカルです。それまではニュートン毎平方メートル等と表していました。
  

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