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2000年(平成12年)鳥取県西部地震・現地調査(文・写真/山村武彦)

★地震の概要
 2000年(平成12年)10月6日13時30分、鳥取県西部を震源とする地震が発生した。地震の規模はM7.3、震源の深さはごく浅い、左横ずれと推定される直下型地震であった。この地震により鳥取県日野郡日野町根雨及び境港市東本町などで震度6強の揺れを記録した。震源地が山間部であり市街地の一部を除き人口密集地帯でなかったことなどから、負傷者182人にを出すものの死者はゼロであったことは不幸中の幸いであった。
 しかし、震度6強を記録した境港市での液状化現象、日野町、米子市などで住宅の倒壊、損壊などの被害が大きかった。震源の深さが浅かったため1316回の余震が頻発した。阪神・淡路大震災(1995年)を教訓に1996年に改正された気象庁震度階級による「震度6強」を改正以来初めて記録された地震である。

主な被害状況
★人的被害合計/負傷者182名
・鳥取県/負傷者141名
・岡山県/負傷者18名
・島根県/負傷者11名
・大阪府/負傷者4名
・広島県/負傷者3名
・香川県/負傷者2名
・兵庫県/負傷者1名
・和歌山県/負傷者1名
★住家等被害
・住家全壊/431棟
・住家半壊/3,068棟
・住家一部損壊/17.296棟
・非住家公共建物損壊/203棟
・非住家その他損壊/1,879棟
★電気・ガス被害
・中国電力管内停電/延べ17,402戸
・四国電力管内停電/延べ1,874戸
★水道関係
・鳥取県内断水/米子市、境港市、日野町など2市10町で5,744戸
・島根県内断水/出雲市、平田市等4市10町1村で1,337戸
・岡山県内断水/岡山市など2市2町1村で1,167戸など
 その他電話が一時不通又は輻輳状態になり通じにくくなり、道路、鉄道、港湾、河川などで多くの被害を出した。とくに境港港で68箇所、米子港で23箇所、安来港10箇所など、港湾の液状化による損壊が顕著であった。

 
 ★境港市の・出雲大社上道教会の崩壊(出雲市の出雲大社の分社) 

 
 ★山肌が地震で崩壊(鳥取県日野町)

 ★道路・斜面崩壊


 ★境港市・蟹岸壁の崩壊

★境港岸壁・4万トンバース付近 
 
 ★砂と水が噴き出した液状化跡 
 


 






 
 JA鳥取西部は、鳥取県西部地震で落果の被害を免れた同県会見町産のナシ「新興」を「地震でも落ちないナシ」として、18日から受験生向けにインターネットで「鳥取西部じしん梨」の名前で販売する。同町内2・9ヘクタールで栽培される新興は、収穫目前に地震で8割が落ちた。販売を促進して被災農家を救済し、受験生には「自信」をもってもらおうと企画した。(写真は合格祈念のお祓い)


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