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「安全は準備に比例します」家族と自分が生き残るために、逃げたりあきらめたりしないで、準備をして災害を迎え撃つのです
防災診断書サンプル |
あなたのご質問に答え、下記のように防災診断を行いアドバイス申し上げます 2001年2月20日、防災アドバイザー/山村武彦 |
防災診断及び防災対策アドバイス | |
ご住所 | 〒000-0000 神奈川県小田原市防災町1-1 |
お名前 | 防災太郎様 |
電話番号 | 0000-00-0000 |
E−MAILアドレス | bousai@yokohama.or.jp |
同居家族構成 | 男子小学生(10)1名 女子中学生(13)1名 女性パートタイマー(48)1名 男性サラリーマン(50)1名(通勤距離) 計4人家族 |
全体防災対策評価 | あなたの家は一般的に見て、防災対策に関心を持ち努力しているすばらしい家庭と思います。しかし、防災対策としては残念ながらまだ50点です。家の耐震性に疑問がありますし、備蓄の内容も自分と家族が生き残るには不足しているものが多くあります。ぜひ、アドバイスを参考にして、防災力を高めて「安心」を手に入れてください。。 |
お住まい情報 | 建築した年/1980年建築(築21年) 工法/例 木造平屋造り(約60u) 部屋数/3LDK |
住まいのアドバイス (早く耐震措置を) |
1981年に建築基準法の一部改正により、耐震基準が強化されました。あなたのお家はその前年に建築されたものと思われますので、現在の耐震基準には適合していないものと推定いたします。できるだけ早く、市町村の建築課にご相談され耐震診断を実施し、問題を指摘されたら耐震補強を行うことをお勧めいたします。市町村によっては、無料で耐震診断を受けられたり、耐震補強をする場合にはいくつかの助成措置を講じていますので、ぜひ担当者にご相談することをお勧めいたします。特に浴室など湿気の多い場所などは経年変化と共に、柱や壁などが傷んでいる恐れがあります。また、屋根が瓦ぶきだとすると、屋根を支える柱などに大きな重量がかかり、傷んでいる柱があると、震度によっては瞬時に倒壊の危険性があります。経済事情が許せば屋根を軽いものに変えるだけでも耐震性が増すこともあります。また、簡易耐震診断を自分でもができる資料がありますのでお送りいたします。申し上げたことは、あくまで一般的な目安です。建物の耐震性は設計、施工、工法などによっても大きく変わってきますので、ご理解くださるようお願いいたします。 |
地形(必須) | 丘陵地(以前は森林)前面は6mの道路に面している |
地盤(必須) | 傾斜面を切り開き造成した切り土又は盛り土で、擁壁(コンクリート)で囲われている |
密集度(必須) | 周囲には40軒ほどの木造住宅があり、隣家とは塀で仕切られている。やや密集 |
周辺の状況(必須) | 人口20万人の市の、主要公共交通機関駅から車で20分の閑静な新興住宅地域、近所には高齢者の一人暮らし家庭が2軒ある。 |
周囲の危険度情報アドバイス (地震危険地帯です) |
あなたがお住まいの周辺は、神縄・国府津松田断層地震、神奈川県西部地震、東海地震、南関東房総沖地震などの大規模地震の発生が想定されている地区です。 1、神縄・国府津松田断層地震/ 1998年に国の地震調査研究所が「この活断層は、現在から200年以内にマグニチュード8クラスの地震を起こす可能性が高い」と報告しました。もし、この活断層地震が発生すると、あなたの住んでいる地域は震度7〜震度6強の強い地震に襲われる可能性があります。神奈川県内全体も震度6強に襲われ、広い地域に大きな被害をもたらし津波も発生する可能性があります。周囲に急傾斜地区があれば、がけ崩れの恐れがあります。 2、神奈川県西部地震/ 神奈川県西部は70年周期で地震が発生しているといわれています。神奈川県西部地震はマグニチュード7前後と想定されています。海岸線から内陸部にかけての活断層が動くものと見られています。もし、この地震が発生すると小田原市、箱根町、湯河原町、真鶴町、足柄上郡、下郡、中郡などを中心として狭い範囲ですが、震度7〜6強の強いゆれを感じると予想されています。津波も発生する可能性があります。急傾斜地区だとすると、がけ崩れの恐れがあります。 3、東海地震/ 駿河湾から内陸部にかけて発生すると予想される地震で、マグニチュードは8クラスの巨大地震となると見られています。この東海地震が発生したとき震度6以上になると予想される地域を地震防災強化地域と指定しています。あなたがお住まいの小田原市も強化地域に指定されています。この地震だけは観測網に異常が発見されれば、警戒宣言が出されます。事前予知ができ「警戒宣言」が出されると、交通規制が行われ強化地域内へ車両の進入が規制されます。 また、公共交通機関は強化地域内は全て運行停止となります。ですから、市外に勤務されている場合は自宅に戻ることが困難になりますので、連絡方法・緊急集合場所などを予め家族で決めておく必要があります。 4、南関東房総沖地震 関東大震災(1923年M7.9)または元禄地震(1703年M8.2)の再来といわれる地震ですが、専門家はまだしばらくは発生しないのではないかという説があります。もし、この地震が発生するとマグニチュード8クラスの巨大地震となり、広い範囲で被害が出る可能性があります。綱身の危険性もあります。 以上のように、あなたがお住まいの地域はいつ巨大地震に襲われても不思議のない、地震危険地域です。いつ襲われても良いようにしっかりとした心がまえと準備が重要です。 |
家具の固定 | タンス・食器戸棚・本棚・ドレッサーなど、主な家具は上下で固定している |
電化製品の固定 | パソコンは固定バンドで止めてあるが、テレビ・冷蔵庫・電子レンジ・照明器具は固定方法がわからない |
ガラス対策 | ガラス飛散防止フィルムは貼っていない |
転倒防止等のアドバイス しっかりと固定しましょう |
「地震が発生したら、テーブルや机の下に身を隠し身の安全を図ること」と防災マニュアル等にありますが、気象庁の震度階の説明には「震度7とは、自分の意思で行動できない」と書いてあります。阪神・淡路大震災を経験した人の話では、一瞬にして家が倒壊した。という人も多く、古い家に住んでいる場合は、直ちに脱出することも大切です。自分の意思で行動できないような大地震に襲われた場合は、とっさにテーブルや机の下に身を隠すことができないかもしれません。身を隠さなくても良いように、家具や電化製品の固定をしっかりする必要があります。家具は上下で柱などにしっかりと固定しましょう。固定金具はホームセンターなどでも売っています。工夫して転倒防止対策をしてください。 タンスや食器戸棚などにモノをしまう場合は、重いものを下に、軽いものを上に置くようにしましょう。食器などの割れ物は滑り出さないように、その下に滑り止めマット(安心マット)を敷くと効果があります。 電化製品は止めにくいものですが、様々な固定金具が販売されています。場所に応じてバンドや滑り止めマット等も利用して転倒防止を図る必要があります。阪神・淡路大震災ではテレビが横に飛んで幼い子供さんが死亡した例もあります。忘れがちなのが、照明器具の固定です。吊り下げ型の照明は激しいゆれで天井にぶつかり、細かいガラスを撒き散らします。一本で留めないで、三本のチェーンなどで留めるとゆれを防ぐことが可能です。 過去の地震災害で顕著なのが、ガラスでの怪我です。地震で負傷する50%はガラスでの怪我です。ロサンゼルス地震に襲われた震源地に近いアパートではガラス飛散防止フィルムが貼ってあったおかげで、怪我もなくそのまま住むことができました。ガラス飛散帽子フィルムは、透明でも紫外線カット率90%といわれます。冷暖房の電気代が節約できる省エネ効果、じゅうたんやカーテンが日焼けするのを防ぐだけでなく、地震対策としても大きな安心につながります。 市販されているフィルムは誰にでも晴れるようになっています。難しかったら業者に頼むこともできます。 |
備蓄 | 備蓄しているもの 1、非常食料/乾パンを10缶、インスタントラーメン24個 2、非常用飲料水/ミネラルウォーター(1g入り)を10本 3、携帯ラジオ/1台 4、懐中電灯/2個 5、非常用持ち出し袋/救急セット・予備の電池入り 6、その他/タオルと雨具一式・消火器(4型)1本・バーベキューセット1式・ヘルメット2個・消火バケツ1個 7、備蓄用品は9月1日に毎年見直している |
備蓄のアドバイス 備蓄用品が不足してます |
非常用品は電気が10日間、水道が二週間、ガスが三ヶ月間止まることを予測して準備する必要があります。そして家の中と、車のトランク、非常用持ち出し袋に入れるものとを分けて準備したいものです。 1、非常食料/ 乾パンとインスタントラーメンを備蓄されているようですが、それはそれで結構ですが、非常用の食料を用意しておいてもいつのまにか期限が過ぎている場合があります。また、インスタントラーメンは普通三ヶ月くらいの保存期限です。非常用のインスタントラーメンは長時間保存できるものもあります。よく、備蓄は三日分といいますが、大規模地震が広い地域を襲った場合は、救援物資がすぐ到着するとは限りません。ですから、できれば非常用食料は一週間分は用意してほしいと思います。普段使う食料を少し余分に準備することも大切です。我が家の基本在庫を決めてその数量が不足したら買い足しておく習慣をつけたいものです。期限管理はどなたかの誕生日には必ずチェックするというのも一つの方法です。昔は非常食というと乾パンでしたが現在では、様々なレトルト食品もあります。例えば、カレーライス、おかゆ、シチュー五目御飯、パンの缶詰、ビスケット、クラッカーなど、家族の好みに合わせて準備すると良いでしょう。 2、非常用飲料水/ 水は一日一人3g×人数分が必要備蓄数です。お宅は、飲料水だけで27リットル以上、最低の生活用水もいれてできればポリタンク(20gに水を溜めて定期的に入れ替えると良いと思います。ポリタンクは飲料水用の口の大きいもの(できれば注ぎ口のついたもの)を選んでください。ポリタンクの水を入れ替えるときは、中をよくたわしなどで洗い、念のために漂白剤などで滅菌します。そのあと日蔭干しをして、水を入れるときは、勢いよくいれると空気を巻き込んでしまいますので少し筒入れます。口元まであふれるように入れ空気が入らないようにしてふたをしっかりしめます。そして陽のあたらない通気性の良いところに黒い袋などをかぶせておくとかなり長い時間保存できます。心配でしたら煮沸して使用してください。お宅は子供さんもいらっしゃるので、飲料水はミネラルウォーターだけでなくジュースやウーロン茶などもよいと思います。保存期間を確かめてマジックなどで表面に期限を書いておくと便利です。 3、携帯ラジオ/ 情報収集に欠かせないのがラジオです。時々電池を換えることが大切です。できれば非常用持ち出し袋とその他に一台あると安心です。 4、懐中電灯/ 懐中電灯は枕もとなどに、部屋ごとに必要です。夜間地震が発生したとき真っ暗な中で、ガラスの飛び散った中を避難する事は容易ではありません。懐中電灯は非常持ち出し袋と別に部屋ごとに準備することをお勧めいたします。また、停電になると自動的に点灯する充電タイプの懐中電灯も便利です。 5、非常用持ち出し袋/ 非常持ち出し袋は、一時的な避難のために用意するものです。ですから季節に合わせて衣類などを入れ替える必要があります。冬の前にはセーターや厚手の靴下、長袖のシャツ、ホカロンなどを入れるなど寒冷時対策。携帯できる食料や小さいペットボトルの飲料水などを入れること、ラジオ、懐中電灯など避難に必要なものと、保険証の写し、親戚などの連絡先コピーなどの役立ちます。最低限度の救急セット、ビタミン剤、風邪薬、持病の薬なども家族に合わせて準備してください。その他、生活用品(携帯用食器セット、石鹸、タオルなど)意外と役立つのは小型のフィルムラップです。汚れた非常食料を受ける場合、食器などにかぶせて使ったり、最悪のときは止血にも使えます。最低限度の現金と小銭。 6、その他/軍手、さらし、筆記用具、ガムテープ、ブルーシート、ロープ、大工道具、家族の写真、重要書類のコピー、その他アウトドアでも使える携帯用コンロと予備燃料、発電機、コードリール、三脚と照明器具など、予備の電池。車のトランクには、毛布とか最低限度の飲料水と食料も入れておくと、車が避難場所になります。 7、備蓄用品は9月1日に毎年見直しているのはとっても良いことです。 8、非常用トイレをぜひ用意してください。電気、水道が止まり、困るのはトイレです。家庭用の非常用トイレが市販されています。普段は折りたたんでおき、いざっと言うとき組み立てて使用するものです。消臭剤、汚物固形剤等もセットされているものもあります。 |
非常時連絡方法 | お父さんの勤務先、家族の緊急連絡先、親戚の連絡先をメモして各自携帯している いざっという時は、お互いに携帯電話で連絡をとることとしている。 |
連絡方法のアドバイス | 携帯電話は災害時には使用できにくい場合が考えられます。家族との連絡方法は「災害伝言ダイヤル171」を活用してください。いざっと言うとき離れ離れの家族がいち早く連絡が取れます。しかし、家族全員がそれを知らなければ役立ちませんので、簡単なメモを持たせておくと良いでしょう。大規模地震などのような災害時は、家族を良く知っている親戚を連絡場所とするのも方法です。また、どうしても連絡が取れない場合はお墓とか、家族共通の記念場所などを待ち合わせ場所として予め決めておくことも必要です。 |
避難場所 | 例、自宅から3km離れた小学校が広域避難場所に指定されている。(今まで歩いた事はない) |
地域との連携 | 例、地域の自主防災組織の一員となっているが、防災訓練に参加したことはない。 |
家族防災会議 | 例、特に家族で会議を開いたことはない |
火気使用器具 | 例、ガスコンロ(都市ガス・地震発生時自動遮断するマイコンメータ付き)ガスストーブ2台、ボイラー1基 |
家庭防災訓練と 地域との連携強化 |
自治会などの行事や防災訓練には積極的に参加しておくと、いざっと言うとき慌てないで済みます。また、地域との連携がスムースにいきます。また、地域を守るのも自分たちなのですから、自分も地域の一員として日ごろから近所付き合いを密にして、地域の人々となじんでおくことが重要です。 また、家族防災会議を定期的に開き、変化する情報や、いざっというときの役割分担や行動を確認しておくことが大切です。火気使用場所の近くには燃えるものを置かないで消火器を用意しておくこと。消火器を皆が使用できるようにすること。火を使う場合はそばを離れないようにすること。地震のときはすぐ火を消すこと。もしガスの匂いがしたら、開口部を開け放つこと、避難するときは電気のブレーカを切り、ガスの元栓を遮断すること、戸締り火の元に注意すること。などなどを日ごろから話し合っておくことが、いざっと言うとき被害を少なくすることにつながるのです。 |
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